過去の展覧会

開館2周年記念
九兵衞のまなざし -清水九兵衞没後5年-

●2011年4月19日(火)~6月12日(日)月曜休館

当館の開館2年、彫刻家で陶芸家でもあり、当財団の理事であった清水九兵衞の没後5年を記念した展覧会。彫刻・陶芸作品のほか、九兵衞氏がデザインしたワインオープナーなど生活用具も併せて展示いたします。

所蔵品展 花と鳥の楽園

●2011年6月28日(火)~7月29日(金)月曜休館

京都中央信用金庫と公益財団法人中信美術奨励基金が所蔵している作品から、「花」と「鳥」をテーマにした作品を展示いたします。
大津波に遭いながらたった一本残った松、塩水に浸かりながら美しい花を咲かせた藤の花などの自然の力強さを伝える映像に私たちは勇気づけられ、一筋の希望の光が射すのをみました。古来より、自然の様相と生命の輝きを象徴する主題として愛されてきた「花」や「鳥」が描かれた作品を通して、自然へのまなざし、自然と人間のあり方を考えるきっかけになればと思います。
また、平成22年度に当財団が新しく収蔵した作品もあわせて展示いたします。

人間国宝 江里佐代子の伝言 -康慧とともに創った荘厳の世界-

●2011年9月1日(木)~10月16日(日)月曜休館

古くから仏像の装飾として施されてきた伝統技法・截金(きりかね)を、現代の日本に鮮やかに甦らせた江里佐代子氏の没後5年目を記念した展覧会です。
佐代子氏の截金は、ご主人の康慧氏が制作される仏像に荘厳を施すことから始まりましたが、オブジェや小筥の装飾など身近な工芸品にもその技法を施し、芸術として昇華されました。
平成12年に当財団の第13回京都美術文化賞を受賞されてから、2年後の平成14年に最年少で重要無形文化財「截金」保持者(人間国宝)に認定され、京都迎賓館に截金の調度品を納められるなど精力的に活動されていました。
新作研究のため訪問していたフランスで急逝されてから5年。
本展では、仏師・康慧氏の作品とともに、佐代子氏が試みようとして、その遺志を引き継いだ長女の左座朋子氏と工房のスタッフの手によって実現した、截金を挟んだ古代ガラスの復元「截金サンドウィッチガラス碗」も、京都では初めて公開いたします。

石本 正 <京への想い>

●2011年10月28日(金)~12月11日(日)月曜休館

前期 10月28日(金)~11月20日(日)
後期 11月22日(火)~12月11日(日)  (作品の一部を展示替えします)

日本画家・石本 正は、京都市立絵画専門学校入学のため島根県那賀郡岡見村(現在の浜田市)をあとにして70余年。自宅近くの等持院を散歩すれば塀の苔に、盗難にあった行方不明のボッシュの絵を想い、アトリエにこもり絵筆を握れば画面の向こうからコンドルが描いてほしいとすり寄ってくるという。石本正にとって「生きる」ことは「絵を描く」こと。最近は、長年暮らした京都と京都の人への感謝の想いが募る。描く対象もなつかしい郷里から京へ。今回の新作展は、自身の創作活動に影響を与えた京都への想いから生まれた40点余の作品を展示します。

造形思考-小牧源太郎展

●2012年2月14日(火)~3月11日(日)月曜休館

当財団の第1回京都美術文化賞受賞者である「小牧源太郎」は、日本のシュルレアリスムのさきがけとして知られています。
しかし、小牧源太郎は目新しさを求めてシュルレアリスムを享受したのではなく、「私がはたしてシュルレアリストであるのか、どうかは私にとっては問題ではないということである。私は私にとって私であればよいのであって、その他何物でもないのである」(「私のシュルレアリスムNo.1」、1969年)という彼自身の言葉通り、「私が私であるため」に用いていた手法に過ぎません。
今般、中信美術館で小牧源太郎の画業の一端を、昭和初期の独立美術京都研究所時代の具象作品、戦中の仏画時代、その後の民族学的要素が強い「伊呂波仁保辺止」「賽の神」、晩年の「印相婆藪」「妙法掌藏人華鬘日輪相呪」「パット・パルマシリーズ」、針金状のひとがた「カリファ人間」が画面で音楽にあわせて踊る「景観シリーズ」等、京都府所蔵の作品群等から紹介いたします。